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久良岐能舞台のお仕事5  自主事業編 その1

いままで久良岐能舞台のお仕事についていろいろ書いてきました。
とても書きつくせないですが、どんな感じなのかは大体分って頂けたんじゃないかしら?
面白そうですか?それとも、そんなもんか…ですか?ここに勤務するのは、「結構きついけど楽しい」と先輩たちは言っています。ごちゃごちゃ書いていても私は本社勤務でときどき久良岐なので、良く分っていないことが未だ沢山あるんですよね、きっと。

さて、今回は自主事業について書いてみます♪
もしかして・・・と私は思うんですけど、『どこか他所の公共文化施設で働いている人もこれを読んでいるんじゃないかしら。そうすると、余り内輪話を書きすぎるのも問題だよね〜。でも公共文化施設であればどこでも基本的には同じことやってるんだよね〜。』
だからまあ、いいですよね☆

  

わたしは大学でアートマネジメントについて勉強してきたので、知識的には上司の言うこともやっていることも大体分るんです。違うんじゃないかなあと思ったりもするんです。
でも、やっぱりわたしは未だほとんど知らないなぁ、と感じたりもします。
何がったって、日本の伝統芸能の広さ、深さは底知れないですよね。聞くたび、観るたび、知るたびに思うんですよ。そうか〜って。歴史の奥深さを感じます。何百年かの歴史の積み重ねを。私なんかの手には負えないだろうとひしひしと感じつつ、のめりこんでいっている現実にふと気付くとき、ちょっとした怖さを感じますね。

私は自主事業というのは、施設の設置目的を実現するためのリーディングアイテムとして行われるんだ、と理解しています。
ここでは「能楽施設」という特定からすれば、能楽に関する自主事業だけをやっていれば良いのかとなりますが、〜に関する〜という部分では一気に幅が広がるんですよね。能の創始者 世阿弥だって何とも関連無く、突然に存在したわけではなくて、それまでの人の世の中の全てと関わっているはずですからね。だからここでは、能とお茶という日本の二つの大きな伝統文化の流れの上で考えてみると、ほとんどの伝統芸能が取り扱いの対象になってくるんだと分るんです。

それだけじゃなくて、能というとやっぱり堅苦しいものとか敷居が高いとか思っているひとがとても多いようなんですよね。そんなイメージだけで施設には近づきもしないと言う方がすごく多いことに、ここでのアンケートなんかでよく分るんです。
そういう方々に、良いところだし面白いから是非一度、足を運んでみて欲しいという目的で、能やお茶とはあまり関係が無いけど、ちょっとアジアの伝統音楽とか魅力的な音楽事業なんかを計画もして、やっています。そうすると見事、企画の狙い通りにそのジャンルがお好きな方々がおいでになり、「久良岐って少し不便だけど良いところだねー」とか「舞台横から窓越しに見える竹林の風景が舞台の音楽と融合してものすごくステキだった」と感想を述べて下さいます。
そしておいでになったところに、伝統芸能関係の自主事業やら何やらのチラシをお渡しするんですが、果たしてどの位、伝統芸能の事業に参加して下さったでしょうか。
でも、少なくも足を運んで施設を知って頂けたということは成果だったんですよね。

  

そんなこんなで、久良岐能舞台での自主事業の企画はジャンルからすれば相当に幅広いものになるわけです。
でも能舞台ですから、何でもと言うわけにはいきません。能舞台には大きな原則があるんです。
白足袋を履かないと上がれないということです。原則ですから例外もあるんですが、白い綿ソックスなら良いことにしています。それでも難しい場合は舞台上にカーペットを敷き詰めて、その上でやっていただくことになっています。更にそれでも、靴やぞうりなど、土足はどんな場合でもダメです。
だから幅広いジャンルと言っても、こういう制約が利用内容の限界を決めていることもあります。
それから市民会館とか区民会館とかの普通のホールと全然違う点は、舞台の演出設備がほとんど無いことですね。
普通の舞台では沢山の照明器具があって、色をつけたり明暗をつけたりと、何でもできますが、能舞台の照明は明るくするだけで、他の演出的な効果は全然できません。それに舞台上にはバトンもなにもありませんから、幕を吊るとか看板を下げるなどもできません。何しろ能では、何も無い状態から始まって何も無い状態になって終わるものですから、何も演出用の設備は要らないんですよね。
音響もそう。能にマイクは不要ですから舞台音響設備はありませんし。

能舞台利用の制約条件は沢山ありますが、能楽以外の場合の利用ではこういう条件の全てを飲み込んで企画をするわけです。
久良岐能舞台の自主事業では原則として全てオリジナル企画でやることになっています。逆に見れば、オリジナル企画だから最初から制約条件の上に成り立つように計画できることもありますね。

  

と、まあ、今回は自主事業について計画の前提条件みたいなことを書いてみました。次にはもう少し踏み込んで、発想について書いて見たいと思います。(書けるかな?)

読んで下さっている方にお願いがあるんですが。
書いている自分には、人様にどんなふうに見えているのか分らないものですから、なんでも結構ですからコメントを投稿して頂けないでしょうか。時々自分がピエロに感じられることがあるんですよ。

コメント (2)

M-AQUA:

こんにちは、いつも楽しく拝見させていただいてます、M-AQUAと申します。
私は磯子に住んでフリーの音響をやっている者です、自主事業のチラシいつも拝見していて、興味深い内容が多くいつも気に掛けています。
特に屏風浦駅の自転車置き場の掲示板をいつも見ています。
実際、自主事業の公演に足を運んで訪れたことは無いのですが、昨年の秋にびっくりしたことがありました。
知り合いの尺八奏者の方が、そちらの自主事業に出演される予定を知って、ぜひ聞きに行きたかったのですが、自分の現場が入っていていけませんでした。

皆さんの運営のご努力非常に関心しています。『自分がピエロに感じられる』と書かれておりますが、運営のご苦労本当にわかります。
これからも久良岐の丘に文化の香りと広がりを感じられる会館運営がんばってください。

ちなみに一つ質問です、白足袋ですが、私が所作台等で使用している足袋のなかに、紺で足裏も紺のやつがあるのですが、紺足袋で、舞台に乗るのは本来はまずいのでしょうか?
色のこと等で、タブ−な色等があるのかな?等とも興味がわきました、ぜひ教えていただけると幸いです。

>M-AQUAさま
コメントありがとうございます♪
自主事業もいろいろと計画していると、いったいどのような企画が良いのか、どうしたらお客さんが来やすいか、試行錯誤で路頭に迷う日々です…。

フリーの音響さんということで、舞台裏方についての質問をありがとうございます。まだ駆け出しの私がお答えできるかわかりませんが、私なりの解釈でお答えします。

一般的に能舞台では白足袋が原則となっています。
それは能舞台の持つ神聖な空間という意味合いからだと思います。(所作台も同様。)しかし実際、能楽師は白足袋に対して、狂言師は少々黄色がかった足袋を履いています。
そして、舞台裏方さんの使用する表も裏も紺の足袋は「からす足袋」といって、黒子や裏方が使用するための足袋です。私も能舞台では白足袋を使用しますが、他ホールで所作台を使用する場合はこのからす足袋を使用します。ただ、能舞台では黒子や裏方が実際に舞台へ上がることはほとんどありませんがね…。

久良岐能舞台では白足袋を原則としていますが、この日記にもある通り、白足袋に限定してはいません。演目にもよりますが、裏が白い皮だったり、白い綿ソックスならば良いとしています。
つまり、足袋という形式から考えるとこのからす足袋も久良岐能舞台では良いとなります。(他の能楽堂ではわかりませんが…。)

足袋について私なりの考えを書きましたが、悩みは解決できましたか?またわからないことなど気軽に質問して下さい☆
そして、もしご都合が合えば是非一度久良岐能舞台に来てください!!お待ちしております。

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